滋賀県近江八幡市JR安土駅前で社会保険労務士をしている小辰知己です。
近年、人手不足による採用難が問題となっております。
その中で採用が難しいのであれば、従業員1人1人の生産性を向上させようという動きがみられます。
生産性を向上させるという中で一つの取り組みとして考えられるのが従業員への研修の実施です。
研修を実施し、スキルアップを図ってもらうことで生産性の向上につなげようという狙いがあり、近年においては研修を実施する企業が以前に比べ、増えてきているように感じます。
その中で問題となるのが研修の実施時間は労働時間に該当するのか?という問題です。
当然ながら就業時間の研修の実施は、労働時間となり賃金が発生します。
ただこれが所定労働時間外や休日などに実施した場合にどのようになるのか?という問題も生じます。
今回はこれらの時間が労働時間に当たるのか?という点をお話します。
研修時間が使用者の指揮・監督下にあるか?
労働時間に該当するかどうかの判断としてその時間が使用者の指揮・監督下にあるか?という点から判断します。
使用者が実施する研修や教育についてもそれが使用者の指揮・監督下にあれば労働時間となります。
具体的な解釈例規は「労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱いによる出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にならない」(昭26.1.20 基収第2875号)
参加が自由参加か強制参加かであるかで判断が大きく分かれると言えます。
これから判断すると仮に研修の実施時間が所定労働時間でかつ強制参加であれば労働時間に該当すると言えます。
休日労働においてもそれは同じと言えますので、休日の研修の受講が強制参加であれば労働時間となり休日出勤手当の支払いが必要となります。実務的には振替休日として扱っている企業が多いように感じます。
まとめ
今回は研修の実施時間が労働時間に該当するのか?というお話をしました。
先程から再三出ておりますが、その時間が使用者の指揮・監督下にあるか?という点が判断のポイントになります。
また今回の研修時間以外におきましても労働時間に該当するか否かの判断に迷うことは多いと言えます。
労働時間に該当するか否か?の判断でお困りの際は弊所へお気軽にご連絡ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。