一般事業主行動計画とは?

滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております小辰知己です。

今回は一般事業主行動計画について解説します。

一般事業主行動計画の趣旨

一般事業主行動計画(以下「行動計画」)とは、次世代育成支援対策推進法(以下「次世代法」)に基づき、

企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、

子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、

(1)計画期間、(2)目標、(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。

一般事業主行動計画は従業員101人以上の企業には、行動計画の策定・届出、公表・周知が義務付けられています。

ちなみに次世代育成支援対策推進法第1条に以下の様に定められております。

この法律は、我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化にかんがみ、次世代育成支援対策に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業主及び国民の責務を明らかにするとともに、行動計画策定指針並びに地方公共団体及び事業主の行動計画の策定その他の次世代育成支援対策を推進するために必要な事項を定めることにより、次世代育成支援対策を迅速かつ重点的に推進し、もって次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される社会の形成に資することを目的とする。

なお一般事業主行動計画は女性活躍推進法に基づくものもございますが、本記事では次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画について解説しております。

作成のメリット

101人以上の企業では策定・届出、公表・周知が義務となっていることは先程お話をしました。

なお義務ではありませんが100人以下の企業においても一般事業主行動計画の策定は可能です。

一般事業主行動計画の策定のメリットをいくつかご紹介します。

イメージ向上

一般事業主行動計画を策定し、届け出ることで、企業が働きやすい職場環境を整える努力をしていることを示すことができます。これにより、企業イメージの向上や、優秀な人材の採用・定着に繋がる可能性があります。

助成金や認定制度の活用

一般事業主行動計画を策定している企業は、助成金や支援制度を活用しやすくなる場合があります。また、例えば「次世代育成支援対策推進法」に基づく「くるみん認定」など、認定制度を受けるための要件を満たすことにもつながります。

実際に弊所でも助成金や補助金の申請の際に策定することがあります。

従業員の働きやすさ向上

行動計画を策定し、実行することで、従業員の働きやすい環境を整備することができ、労働生産性の向上や従業員の満足度の向上につながります。

上記の3点が策定のメリットと考えております。

作成の流れ

では一般事業主行動計画を策定し届出をしたい!となった場合の流れや注意点をご紹介します。

自社の現状把握

まずは行動計画の策定にあたり、自社の現状把握をする必要があると言えます。

https://www.mhlw.go.jp/content/001349038.pdf

↑実際の一般事業主行動計画の書式です(厚生労働省HPより引用)

例えば子育て中の従業員はどれぐらいの割合でいるか?育児休業を取得しているものはどれぐらいか?子育てをする従業員を支援する制度はどういったものがあるか?など。

まずは社内の状況をきちんと把握していきたいです。

また場合によっては従業員の方に意見を聞いてみるというのも良いかもしれません。

その中で自社の課題や従業員の方のニーズなど把握できるのではないかと思っております。

行動計画の策定

現状把握が済みましたら、次は実際に行動計画を立てていきます。

先程添付しました、一 般事業主行動計画策定・変更届のPDFの2.3枚目に具体的に取り組む内容(行動計画策定指針の事項)が明記されており、そちらの中から会社として取り組むものを選びます。

どういった取り組みをするかは、もちろん会社の自由です。

項目の中から複数選んで頂いても良いですし、どれか1つでも構いません。

さらに選択した行動計画策定指針を行動計画として落とし込んでいきます。

まずはモデル計画を添付いたします。

例は「育児をしている社員が多いが、長時間労働になりがちな会社」です。

https://www.mhlw.go.jp/content/001681608.pdf

厚生労働省HPより引用

見本の様に定量的な数値目標としておきたいです。

計画期間における男性の育児休業取得率を 30%以上とする、の様に具体的な数字があるといいですね。

行動計画の公表+従業員への周知

行動計画を策定しましたら、周囲への公表が必要となります。

方法としては両立支援広場への掲載、自社のホームページへの掲載などあります。

また補助金や助成金の申請の場合であれば、指定のある登録先への公表も必要になるかと思います。

また外部だけでなく社内でも従業員の方に計画を周知します。

方法としては事業所の見やすい場所への掲示や備え付け、従業員への配布、電子メールでの送付、イントラネット(企業内ネットワーク)への掲載などです。

行動計画を都道府県労働局へ届出⇒計画の実行

行動計画が策定できましたら、

「一般事業主行動計画策定・変更届」(様式第一号)を郵送、持参、電子申請のいずれかにより、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に届け出てください。

行動計画そのものを添付する必要はありません。

その後は行動計画の実行へと移ります。

おわりに

今回は一般事業主行動計画について書かせて頂きました。

策定・届出は従業員101名以上の企業より義務付けとなるため、あまり馴染も無いと感じた方も多いかと思います。

弊所でも策定・届出は積極的に対応させて頂いております。

お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。