従業員を採用した際に提出してもらった方がよい書類とは?

滋賀県近江八幡市JR安土駅前で社会保険労務士をしております小辰です。

会社で新しく従業員を採用したいと思っている企業様は多いのではないでしょうか?

求人を出して応募者を募り面接をし、採用といった流れが一般的かとは思います。

そして採用の際にその従業員の方に提出してもらう書類といえばどういったものを思い浮かべるでしょうか?

僕自身就業規則作成を通して様々な企業の採用時の提出書類についてヒアリングしてきましたが、各社様々です。

個人的に提出してもらった方がよいと思う書類もいくつかありますので今回はその辺りのお話をしたいと思います。

そもそも採用時に提出してもらう書類はどのようなものがあるか?

採用時に提出してもらう書類は会社によって様々です。

採用時の提出書類に関して法律による制限があるかというとその様な決まりはありません。

各社の採用時の提出書類に関してヒアリングしていくと必ず提出してもらっているものとそうでないものがはっきりと分かれました。

大体どの会社も提出してもらっている書類に関しては以下の通りです。

採用時に提出してもらっていることが多い書類

・雇用保険被保険者証

・住民票記載事項証明書

・源泉徴収票

・その他学歴を証明するものや資格の証明書、運転免許証など

これらのものは大体の会社で提出してもらっている書類になるかと思います。

解説していきます。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は前職で加入していた場合には提出してもらいます。

被保険者番号が各労働者に割り振られているため、引き続きその番号を使用するためです。

逆に新卒や前職に加入していなかった場合などは提出してもらう必要はありません。

また前職で加入していた場合であっても被保険者証を紛失している場合などは、新たに資格取得をするといった流れになります。

住民票記載事項証明書

住民票記載事項証明書とは住民票にある項目のうち、申請者が必要とする事項のみを記載した書類です。記載された内容が「住民票に記載されている内容と間違いない」ということを証明します。

では提出書類として「住民票」や「戸籍謄本」の写しなどを提出してもらう事は可能なのかというと原則として出来ません。

住民票記載事項証明書にて労働者の住所、氏名などを確認して頂く事になりますのでご注意ください。

源泉徴収票

源泉徴収票に関しましては年末調整の際に必要となり、こちらに関しても多くの企業で提出を求めております。

その他学歴を証明するものや資格の証明書、運転免許証など

最後は従業員の資格や学歴を証明するものです。

これらに関しては多くの企業で提出を求めている反面、実際は提出してもらっていない企業も多いように思います。

通勤や就業時間中に車を用いて移動する際には車を使うことになりますので、車の免許は必須です。

確認のため免許証の提出を求めることが必要かと思います。

また特定の資格が無いと出来ない業務に従事してもらう場合や資格手当を支給する場合などには資格を保持していることを証明できるものを併せて提出してもらった方がよいでしょう。

出来れば採用時に提出して貰いたい書類

先ほどまでは一般的な採用時の提出書類について書きました。

これらのものは最低限提出が必須のものといえます。

ではこの他に提出してもらう事が望ましい書類はどのようなものがあるのでしょうか?

弊所ではこちらの提出をしてもらうことをお勧めしております。

  • 労働契約締結による誓約書
  • 身元保証書

ただこれらの書類も会社によっては「必要ない」といったご意見もありますので必ず提出してもらう必要はありません。

労働契約締結による誓約書

こちらは会社と従業員との間の労働契約の内容を遵守してもらうために提出してもらう書類となります。

簡単な内容としましては雇用契約書や就業規則に書かれた内容を遵守すること、社内情報の守秘義務、個人情報の取り扱いに関することなどに関して誓約することを証明する書類となります。

採用時に会社の労働条件などを説明し、その後に誓約書を取ることが一般的かと思います。

入社誓約書の役割としては入社する意志があることを確認することや上記の様に労働条件や社内のルールを順守してもらう役割があります。

誓約書を提出してもらう事で「知らなかった」といったトラブルを防ぐ役割があります。

また入社後に懲戒事由などが生じた際にも入社時に誓約書を取っていたかどうか?という点が重視される傾向にあります。

身元保証書

身元保証書は従業員の方が入社後に会社に損害を発生させた場合にその損害の保証人となって貰う人を書いてもらう書類です。

会社に損害を与えるという事も滅多にある事ではないと思いますが、いざ損害賠償をしようという時に従業員に返済能力がないといった場合のために身元保証書によって身元保証人を決めておくということは意味のある事だと思います。

また従業員の方と連絡が取れなくなった場合や従業員の方に何かあった時の緊急連絡先として身内の連絡先を把握しておくという意味でも身元保証書の役割は大きいと考えております。

現在、勤務されている方に改めて身元保証書を出してもらうというのは少し難しいような気もしますが、身内の方の連絡先だけでも万が一に備えて聞いておくことは必要かと思います。

おわりに

今回は入社時に提出してもらう書類について解説しました。

お話を聞いた会社の中には「知らなかった」「こういった意味があったのか」といった声も頂きます。

また「就業規則には書いているけど、書類が無い」といった会社もありました。

先程も申しましたが提出書類に関しては法令による決まりは無いので基本的には自由です。

極端に言えば何も出してもらわなくても問題ありません。

しかし、従業員の方に安心して長く働いてもらうためにはこういった各種書類の整備は必要かと思います。

これらの提出書類を採用時に提出してもらう事を就業規則に定めておくことがよいと考えます。

こたつ社会保険労務士事務所では就業規則の無料相談を受け付けております。

お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。