運送業における副業の注意点

滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております小辰知己です。

近年副業を認める企業も多くなってきております。

副業を認めるかどうかは会社によって様々です。

会社、従業員共にメリットも多くあると言えますが、副業を認める上での注意点もあります。

今回は運送業を例に出して解説していきます。

副業ドライバーへの対処法

まずは実際の事例をご紹介します。

実際にあった相談事例

あるドライバーが、毎日22時~翌朝5時まで運送会社でトラックを運転。

業務終了後、日中は工場で働いていた。

これに関して会社は「知らなかった」とのこと。

ただ、そのドライバーが事故を起こした場合に、会社に安全配慮義務違反が問われる可能性がある。

こちらの会社ではそもそも副業がOKか否かという点もはっきりとしていない状態でした。

なので従業員の方も特に会社には副業の申告もせず、生活費の足しにしていきたいという思いから副業をしていたのです。

会社は「知らなかった」とのことですが、副業を把握していなかったこと自体が会社の管理体制の甘さと言われてしまいます。

副業ドライバーが増えている背景

では副業ドライバーが増えている背景を見ていきます。

原因としては労働基準法の改正により、時間外労働に上限が設定されました。

以前は上限がなく、いくら残業をしても問題視されなかったのですが、上限が設定されたことにより労働時間を短縮せざるを得なくなりました。

そうなると走行本数が減ってしまい、結果的にドライバーの収入が大きく下がってしまいました。

それらを補うために副業で仕事終わりや休日に別の仕事をするという人が増えていきました。

会社としても従業員の方に多く給料を支払いたい。その様に思っている会社が多いですが、現実的に労働時間を減少することで給与が減ってしまうということは起こりがちです。

今の時代の流れとして副業・兼業を一切禁止することは少し難しい部分もあるかもしれません。禁止している会社もまだまだ多いですが。

副業も認めつつ、会社がきちんと管理できる仕組みを構築する必要があると言えます。

就業規則への副業の許可制を明記する

副業を認める場合は就業規則にその旨をきちんと明記しましょう。

以下で明記しておきたい内容を簡潔にまとめます。

副業を認める場合に就業規則に明記すること

✅ 副業・兼業を行う場合は、  事前に会社の許可を得ること

✅ 副業を認めない場合の要件について

✅ 労働時間の通算について

✅ 健康管理について

また会社として副業を禁止する場合はその旨も明記しておきたいです。

副業を認めない場合の要件については、例えば企業情報が漏洩する恐れがある場合や副業による疲労により本業での業務に支障が出る場合などです。

許可制であることを周知+許可申請書の整備

あとは会社として許可制を取っていることをきちんと周知しておきましょう。

そもそも就業規則は作っておくだけではダメで周知することが必要です。

周知の方法としては社内掲示や定期的な口頭での告知などです。

また許可申請書もきちんと用意しておきましょう。

勤務先、業務内容、就業時間など記入してもらいます。

就業規則の内容に反した場合は許可を取り下げるといったことも明記しておきましょう。

おわりに

今回は運送業の副業の事例や副業を認める際の注意点を書きました。

就業規則の整備や運送業の労務でお困りの方はお気軽にご連絡下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。