滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております小辰知己です。
遅刻、早退、欠勤などがない場合に支給されることがある皆勤手当(精勤手当と呼ばれる場合もあります)
皆勤手当てを設けている会社も多くあるかと思います。
こちらの記事では皆勤手当ての考え方、注意点などご紹介します。
皆勤手当ての目的
皆勤手当ては従業員の出勤を奨励する目的で支給されることが多いです。
給与計算期間中に遅刻、早退、欠勤があった場合には皆勤手当ては不支給となるため、従業員としてはこれらを避けるよう毎日会社の定める所定労働時間通りに出退勤を行い、欠勤を避けるようにします。
弊所顧問先でも導入されている会社が多いです。
手当額に関しては会社によりますが月に1万円程度が多い印象です。
従業員の給与額に応じて変動する会社もあります。
有給休暇取得時の取扱い
では有給休暇を取得した場合に皆勤手当を支給する必要があるか?という点を見ていきます。
有給休暇の取得率の向上を目指している現代において、有給休暇の取得を皆勤手当の不支給の要件として定めることは矛盾が生じているように感じます。
また労働基準法付則136条にて「有給休暇を取得した従業員に対して賃金の減額その他不利益な取り扱いをしてはならない」とされています。
そのため、有給休暇を取得しても皆勤手当は不支給としない会社が大半です。ある意味当然かとは思いますが。
ここでよく勘違いされる点を一つ紹介します。
有給休暇の取得時に皆勤手当を不支給とすることは違法と思われがちです。
ただ、裁判例においては有給休暇取得時に皆勤手当を不支給とすることは違法とはされなかった事例もあります(平成5年6月25日沼津交通事件)
この事例においては就業規則にて「勤務予定表(シフト)どおりに勤務した従業員に支給される」としていました。
シフト表作成後の有給休暇の取得日は皆勤手当の支給において欠勤とする措置は無効ではないとされました。
またこの事例の他にも同様の判示をする裁判例もあります。
そのため、有給休暇の取得日を皆勤手当の支給にあたり欠勤とする制度設計も有効と言えます。
皆勤手当を設けるべきか
最後に会社として皆勤手当を設けるべきか?と言う点について解説します。
何度かお話をしているように皆勤手当は遅刻・早退・欠勤がない場合に支給される手当です。
ただ、一般的には遅刻・早退・欠勤をしない従業員が大半です。
それであれば皆勤手当を別に定めなくても、その分は基本給に足した方がいいのではないかという考え方もあります。
その方が採用面でも有利となる可能性もあります。基本給をベースに見る求職者が多いためです。
また余談ではありますが、皆勤手当ては時間外労働の賃金の算定に含まれます。
なぜか除外して計算している会社が多いですが、注意しましょう。
おわりに
今回は皆勤手当について書きました。
様々な意見のある皆勤手当ですが、会社にとってベストな形で運用頂ければと思います。
また皆勤手当を設ける場合はきちんと就業規則(賃金規程)に明記していきたいです。
お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
