滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております小辰知己です。
今回は運送業における名義貸しの問題点について書いていきます。
この名義貸しが発覚した場合は1発で30日間の業務停止処分となる恐れがあり、注意が必要です。
なぜ名義貸しが発生してしまうのか?
理由としては1つ。雇用契約の場合には従業員の給与に対して社会保険料が発生してしまいます。
社会保険料は会社負担、従業員負担共に大きなものです。
会社側としても従業員側としても社会保険料は出来れば払いたくない、、、
このように考えておられる方も多くいます。
そのような時に「業務委託であれば社会保険料の加入は必要がないので、雇用契約ではなく業務委託契約として契約したい」その様な話しが従業員の方から出てくる。もしくは会社側の提案で業務委託にてお願いする。
業務委託契約であれば社会保険料を払わなくていいという安易な考えで、本来は雇用契約を締結すべき場合であるにも関わらず業務委託契約にて契約を交わす。
この様なことは近年大きな問題となっております。※雇用契約と業務委託契約の違いをきちんと押さえて契約をするのであれば問題はありませんが違いを押さえておられないケースが大半です。
しかし運送業においては自社の従業員でない方(業務委託契約の人)が自分のトラックで運送業務をすることはできません。
「名義貸し」は法律で禁止されています。
運送業の許可は自社が雇用するドライバーが自社のトラックで運転することを前提としているためです。
※根拠法令:貨物自動車運送事業法第28条1項
名義貸しをしてしまった場合に起こりうる処分
運送業における行政処分は大きく分けて3つあります。
| 名称 | 内容 |
|---|---|
| 自動車その他の輸送施設の使用停止処分 | トラックを止められる処分 |
| 事業の全部または一部の停止処分 | 「営業所を止められる処分=事業停止」トラックの使用停止よりも重い行政処分 |
| 許可の取り消し処分 | 許可が取り消されれば、すべての仕事はできなくなってしまう |
名義貸しが発覚してしまった場合は1発で30日間の業務停止処分となる場合があります。
30日間稼働できなくなるというのは会社にとっては致命的な処分と言えます。
こうなってしまうと”知らずにやってしまった”という言い訳も通用しません。
注意いただきたい点と言えるでしょう。
おわりに
今回は運送業における名義貸しの問題点について書きました。
実は社労士も名義貸しが行政処分の対象となることを知らず安易に業務委託を勧めているケースも多くあります。
弊所では運送業の労務管理に力を入れております。
お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
