就業規則がなく問題社員対応ができなかった会社の事例

滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております。小辰知己です。

弊所は就業規則作成に力を入れており、新規のご依頼も積極的に受け付けております。

その中で会社に就業規則が無いためトラブルが起こった際に困ってしまった事例をご紹介します。

入社後すぐに働けず欠勤しがちになった従業員

とある会社(以下A社)より相談を受けた事例です。

相談したいことがあるとのことでお話を伺うと、「約2ケ月前に入社した従業員(以下B)がいるのですが、入社後から様々な理由をつけて欠勤が続いていて困っている」とのことでした。

様々な理由としては体調不良、家族の都合などでした。仕方ない理由でもあるのですが、Bの説明が曖昧で社長としては不信感を抱いているようでした。

また、いざ出勤しても勤務態度や経歴に見合ったスキルが無いなどA社としては困っているようでした。

こちら側がまず確認したこととして「試用期間はどうなっているか?」という点です。

回答としては「労働条件通知書や雇用契約書はない」とのことでした。労働条件通知書にて労働条件を通知することが労働基準法にて定められていますが。A社では用意していなかったようです。

当然ですが就業規則もありません。

通常であれば試用期間を設ける際は労働条件通知書や雇用契約書にて明示すべきですが、それらが無いため試用期間満了による退職という選択肢を取ることが出来ませんでした。

ただ、会社としては人手不足ということもありBが真面目に働いてくれるのであれば、引き続き働いて欲しいという思いはありました。

その後にA社としてもBと面談をし、きちんと出勤をすることや勤務態度を改めるよう話し合いをしました。

その甲斐もあってかしばらくはBも真面目に働いていたようでした。

しかし、数ケ月が経った頃にはまた欠勤を繰り返すようになりました。

A社から相談を受け、何らかの懲戒処分を検討しましたが就業規則がないため懲戒規定がありません。

そのため懲戒処分をするという選択肢も取れずにいました。

懲戒処分をするためには就業規則にて根拠規定が必要なためです。

ここで始めてA社も就業規則を作成しようという意思が出てきました。就業規則の重要性を感じて下さったようです。

Bへの対応ために就業規則を作成することが目的ではなく、今後のA社のために就業規則を作成しようと思ってくださりました。

ただ、その直後に新たな問題が生じました。

私傷病による欠勤~退職へ

その後にBから「事故に遭い歩けなくなった。しばらく休ませて欲しい」とA社へ連絡が入りました。

事故は業務外の出来事だったので労災ではありません。

詳しく話しを聞いてみると歩けないとのことです。傷病名も不明です。

まずは診断書を取得してもらって、状況に応じて休職してもらうという選択肢を取ろうと思っても就業規則がないため休職規定もありません。

ですので休職期間はどれぐらいか?復職時の対応は?といったことが定められておりません。

休職期間満了=退職という定めもないので退職をBに説明することもできません。

そのためBに休職してもらうという選択肢を取れずにいました。

一旦、Bの病状もわからないので少し様子を見たら復帰してくれるかもしれないという期待を抱いて1ケ月半ほど待ちました。

ただ、その後も復帰する気配はありません。またA社がBに説明を求めて話し合いの場を作ってもBがその場に現れずといったこともありました。

A社としてはBの入社直後からの出勤態度や欠勤が続いている点など考慮して辞めてもらうしかないという判断となりました。

結果、Bに退職勧奨をしてもらうことになりBの合意を得て退職となりました。

この際に感じたこととして「そもそも必要書類をきちんと用意していれば試用期間の満了で退職してもらうこともできたのでは」ということでした。

試用期間がない、懲戒規定もない、Bが負傷し働けなくなりましたが休職規定もなく休職を命じることもできない。

結果的に退職勧奨をすることになりましたが、必要な書類(就業規則)が揃っていれば、もっと早期に問題解決が図れたかもしれません。

もちろん就業規則があれば何でも出来るというわけではないのですが、必要な書類はきちんと整備し従業員に周知する。

このことがとても重要であると感じるできごとでした。

終わりに

今回は就業規則が無く、トラブル対応が出来なかった事例をご紹介しました。

問題が起こってから動くのではなく、事前にトラブル予防をすることが重要と言えます。

当法人では就業規則の作成を通して会社の理想の状態を作るをテーマに就業規則作成に力を入れております。

お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。