滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております。小辰知己です。
本来、休日である日に出勤をしてもらう。お仕事の関係上、この様なことも会社によっては発生します。
これ自体はやむを得ない部分ですが、休日の出勤に対して割増手当を支払うのか。それとも休日に出勤してもらった分、代わりに他の日に休日を取得してもらう。いわゆる振替休日ですね。
振替休日に関して正しい理解で運用されている会社も少ないように感じます。
こちらの記事では振替休日の概要や注意点について解説をします。
振替休日の概要
改めてですが振替休日について内容を確認します。
例えば1日の所定労働時間が8時間、休日は土日の会社をイメージしてください。

本来は土曜日は休日ですが、業務の都合などで土曜日に出勤することになったとした場合に代わりに他の日(労働日)に休日を取得するというものです。※図の例では水曜日
これだけ見れば大した内容でもないのですが、振替休日の取得においてはいくつかの注意点が必要です。
就業規則に振替休日の規定が必要
振替休日は会社が一方的に休日と労働日を変更する行為となります。
そのため就業規則に振替休日に関する規定を定めておかなければなりません。
就業規則に定めがなく、労働者本人に個別に同意を取れば振替は可能とする判例(鹿屋市教員事件)もありますが、就業規則にきちんと規定を定めておきたいです。
振替えるべき日をあらかじめ特定し通知する
また振替え休日はあらかじめ休日と出勤する日を入れ替える必要があります。
イメージとして「今度の土曜日にお客様対応が入ったので出勤します。代わりに次の水曜日を休日とします」といった形です。
これを事後的に休日を労働日とする場合は代休となります。
こちらの記事では代休については解説はしませんが、あらかじめ休日と出勤する日を入れ替える必要があるという点は抑えておいてください。
割増賃金について
振替休日を取得日についても注意が必要です。
振替休日は休日と出勤日を同一週内に振替えることがお勧めです。
以下の図を確認ください。

こちらの例では土曜日に出勤し翌週の水曜日に振替休日を取得しています。
この様な場合は1週目の1週間の労働時間が48時間となり労働基準法で定める週の労働時間が40時間を超えるため、割増賃金の支払いが必要となります。
そのため週の労働時間を40時間に抑えるのであれば、1週目のいずれかの労働日に振替休日を取得してもらう必要があります。
これらを知らずに好きなタイミングで振替休日を取得してもらっているケースも多くあるため注意が必要です。
週の起算日について
会社の週の起算日は就業規則に明記することで自由に決めることが可能です(昭和63.1.1 基発第1号・婦発第1号)
定めがない場合は日曜日が週の起算日となります。
土日が休日の会社の場合は週の起算日は土曜日とすることがお勧めです。
振替休日の取得にあたっても土曜日を起算日とすることで同一週内に振替休日を取得しやすくなります。
例えば日曜日を週の起算日とする会社で休日である土曜日に出勤した場合です。

この場合に土曜日に出勤した分は週の労働時間が48時間となり割増賃金の支払いが必要となります。
もちろん翌週などに振替休日を取得することも可能ですが、割増賃金の支払いは避けられません。
そこで土曜日を起算日とします。

この場合は水曜日に振替休日を取得しているため週の労働時間が40時間を超えないため、割増賃金の支払いは発生しません。
会社の休日によって週の起算日は異なるかと思いますが、土日が休日の会社であれば土曜日を週の起算日とすることをおすすめします。
おわりに
今回は振替休日について解説しました。
仕組み自体はあまり難しくもないように感じますが、細かな部分を確認していくとそうでもないということはわかって頂けたかと思います。
当法人では労働時間についてのアドバイスや運用について多くの支援実績があります。
お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
