滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております小辰知己です。
令和7年6月1日より施行される労働安全衛生規則の改正により、一定の高温環境下での作業に対して熱中症対策が事業者の義務として明確化されました。
これにより、WBGT値(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境下で、1時間以上または1日4時間を超えて作業を行う業務は対象となり、具体的な予防措置が求められることとなりました。
https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf
厚生労働省HPより引用
熱中症対応策の取り組み内容は企業ごとに様々です。
こちらの記事にて中小企業の取り組み事例をご紹介します。
熱中症対策の取り組み事例
では取り組み事例を見ていきます。
どれも比較的取り組みしやすいものと言えます。
主に建設業、製造業、警備業での事例です。
装備・物品の支給
作業者個人の負担軽減を直接軽減する取り組みです。
■ウェアラブル対策
・空調服・ファン付き作業服の支給
・保冷ベスト: 空調服と併用または単体で支給されています。
・熱中症アラートバンド・ウォッチ: 作業員の体調変化を検知・警告するデバイスで、元請・下請全ての作業員に配布する例も見られます。
■飲料・食品の提供
・飲料の無償提供: 会社負担で大型冷蔵庫を設置し、スポーツドリンクなどを自由に飲めるようにしている。
・塩飴・塩ゼリー等の配布: 手軽に塩分補給ができるよう、塩飴や冷凍されたスティックタイプの塩ゼリーなどを常備。
・アイスキャンディーの無料配布: 休憩時の楽しみとクールダウンを兼ねた効果的な対策です。
■その他
・衛生用品の常備: 応急処置用に「ヒエピタ」や氷嚢(ひょうのう)が用意されています。
作業(職場)環境の整備
作業環境の改善を目指し、熱中症のリスク削減を図ります。
■暑さ指数の計測・管理
・WBGT数値計(黒球式熱中症指数計)の設置: 現場の危険度を客観的に把握し、休憩の判断基準などに活用されています。
■休憩スペースの確保と快適性向上
・休憩所の設置: 大手元請けの建設現場では、下請け会社も利用可能な共同休憩所が設けられています。
・冷却設備の導入: 休憩用テント内に工場用扇風機やスポットクーラー、ミストファンを設置し、効果的に体を冷やせる環境を整備。
・AVA冷却用専用スペースの設置: 手のひらを冷やすことで深部体温を下げる「AVA冷却」のための専用スペースを設ける先進的な例も見られます。
・自動販売機の設置: 現場事務所横など、アクセスしやすい場所に設置されています。
■作業場所の環境改善
・空調機器の導入: 製造業の工場など、現場環境に適した空調機器を導入し、作業空間の快適性を高めています。
働き方の工夫・改善
就業時間、休憩時間を見直して、熱中症対策を図ります。
■勤務時間の調整
・サマータイム制度の導入: 始業・終業時刻を30分前倒しにし、最も暑い時間帯の作業を避ける工夫をしています。
■休憩の頻度と管理
・柔軟な休憩の取得: 建設業では従来の10時・15時の休憩に加え、夏場は1時間ごとに数分の小休憩を取るよう声かけを行っています。
作業管理と教育体制
作業員自身の健康状態の確認や、万が一の事態に備えるための体制づくりです。
■定例会議での確認: 社内会議で定期的に熱中症対策の実施状況や問題点を確認・共有しています。
■熱中症に関する教育の実施:
・自分と仲間の体調チェック項目の周知:
・自分Check: 手足がつる、立ちくらみ・めまい、吐き気、汗のかき方がおかしい
・仲間Check: イライラしている、フラフラしている、呼びかけに反応しない、ボーッとしている
・上記のような症状に気づいた場合、すぐに休憩を取り、管理者に報告するよう徹底されています。
■現場の声の収集: 現場の作業員からの意見を積極的に取り入れ、対策の改善に繋げています。
おわりに
今回は熱中症対策の事例についてご紹介しました。
具体的な対策がわからない、、、そういった事業所の方も多いかと思います。
弊所では熱中症対策が特に必要な製造業や建設業の労務管理のサポートを積極的に行っております。
お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
