滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております。小辰知己です。
こちらの記事にてトラックドライバーの健康診断について書きました。
ドライバーは健康診断の受診が義務となります。
健康診断も重要ですが、雇入れ時の健康状態の把握も重要です。
今回はドライバーのドライバー採用時の服薬・病歴確認についての書いていきます。
ドライバーの採用時に確認すべきこと
まずは貨物自動車運送事業輸送安全規則 第3条6項の内容を確認していきます。
貨物自動車運送事業者は、乗務員等の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全に運行の業務を遂行し、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員等を事業用自動車の運行の業務に従事させてはならない。
書いてあるように健康状態の把握に努めること+疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全に運行の業務を遂行し、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員の運行業務の禁止について書かれております。
また旅客自動車運送事業(路線バスやタクシーを指します)においては旅客自動車運送事業運輸規則21条5項にて以下の様に定められております。
旅客自動車運送事業者は、乗務員等の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全に運行の業務を遂行し、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員等を事業用自動車の運行の業務に従事させてはならない。
こちらにも同様の内容が書かれております。
いずれの内容にも”健康状態の把握に努め”とあります。
つまり、ドライバーを雇用する事業者にはそのドライバーの健康状態を把握し健康状態によっては運行の業務に従事させてはならないということになります。
運行業務に従事させてはならないことはもちろんですが、あらかじめ健康状態の把握をしておくことが必要です。
そのためには採用時にドライバーの健康状態(服薬・病歴)の確認が重要になります。
健康状態の確認について
そもそも求職者の健康状態を面接時に確認ができるのか?という点です。
労働能力や適格性に関連しない病歴等の確認は控えるべきですが、病歴については、労働能力や適格性にも関連する事項と言えますので確認しても良いと言えるでしょう。
例えば介護職員で利用者の介護時に腰痛があり支障となる場合など、業務に直結する事情に限定して病気や障がいの有無を聞くことは合理的といえます。
「当社での仕事内容は介護業務です。利用者の方の補助などの際に腰に負担が掛かることも多くあります。そのため採用後に業務に耐えうるか、また採用後に当社として配慮する必要があるかを事前に確認させてください」
と言ったようになぜ病歴(健康状態)を確認するのか?の目的を明らかにし、なぜその情報を取得する必要があるのかを明確にしましょう。
また確認することの本人の同意もきちんと取った上での確認として下さい。
事業用自動車の運転者の健康管理マニュアルについて
最後に事業用自動車の運転者の健康管理マニュアルについてお話をします。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03analysis/resourse/data/h26_3.pdf
国土交通省「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」より引用
こちらのマニュアルのP17~に運転者の健康状態の把握と書かれた箇所があります。内容を確認していきます。
■脳・心臓疾患
■統合失調症(自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断、又は操作のいずれに係る能力を欠くこととなるおそ れがある症状を呈しないものを除く)
■てんかん(発作がもたらされないもの並びに発作が睡眠中に限り再発するものを除く)
■再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であって、発作が再発するおそれがあるものをいう)
■無自覚性の低血糖症(人為的に血糖を調整できることができるものを除く)
■そううつ病(そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く)
■重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
■認知症
■アルコールの中毒
これらの病気の状態を確認し、必要に応じて医師の診断を受診させる必要があることを確認しておきましょう。
おわりに
今回はドライバーの採用時の健康状態の確認について書きました。
採用時にきちんと確認をすることで入社後のトラブルを避けることができます。
弊所では採用時の面接時の注意点や運送業のサポートなども積極的に行っております。
お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
