運送業の就業規則の特徴

滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております。小辰知己です。

就業規則は会社の業種ごとに内容が異なります。

当然ですが、業種ごとに労務管理の特徴が様々であるためです。

こちらのページでは運送業の就業規則の特徴や注意点を解説します。

運送業の就業規則に定めておくべきこと

運送業の就業規則は他の業種の就業規則に比べて、特殊な部分が多くあります。

運送業の労務管理に関しては以下の点が課題と言えます。

運送業の労務に関する課題

■ 業種的に長時間労働になりがち

■ 運行ルートによって出退勤時間がバラバラ

■ 改善基準告示への対応

■ 固定残業代や歩合給制度(会社による)

■ 車両の取扱いに関するルール

■ 呼気検査の対応

あくまで一例ですが、上記が課題と言えます。

運送業の就業規則においては、これらの課題にアプローチした就業規則の作成が必要です。

作成にあたってのポイントや詳細を解説していきます。

一般社員とドライバーで雇用区分を明確にする

運送業の場合は、様々な職種が存在します。

ドライバーだけでなく運行管理者や事務職、整備職の方など様々です。

当然ですがドライバーとそれ以外の職種の方で労働条件は大きく異なります。

特に労働時間や給与形態の箇所は一般の従業員の方とでは異なる部分も多いはずです。

そのために雇用区分をまずは明確にしましょう。

きちんと明確にすることで労働時間、休日、給与の適用範囲を正しく規定することが可能になります。

始業・終業時刻をきちんと明記すること

始業時刻および終業時刻は就業規則に必ず明記しなければなりません(絶対的必要記載事項)

運送業の難しい部分は様々な時間帯でシフトが組まれることが多くあるため、会社にもよりますが相当な数の勤務シフトがあると言えます。

中には想定していない勤務シフトもあるかもしれませんが、全てのシフトパターンを明記する必要があります。

しかし、運送業の就業規則では代表的な勤務時間のみを明記しあとは「勤務シフトによる」と書いてあるだけのケースが多いです。

これでは労働基準法に抵触することになります。

就業規則の労働時間の箇所に明記しても良いのですが、シフトパターンが多い場合は見づらくなってしまうこともあるので別表としてシフトパターンが明記されたものを作成ことも一つの方法です。

改善基準告示について

ドライバーは「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(以下改善基準告示)」を遵守する必要があります。

https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/notice

※厚生労働省「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイトより引用」

2024年4月1日から施行された新しい改善基準告示は、自動車運転者の労働時間や拘束時間、休息期間などについて定めたルールです。

改善基準告示を反映した就業規則の作成が必要と言えるでしょう。

運送業独自の服務規定(遵守すべきルールについて)

運送業のドライバーにおいては基本的にトラックに乗り業務を行います。当たり前ですが。

ドライバーの運転する車両は会社の所有物です。

車両の取扱いや運転時のルールなどをきちんと就業規則に明記する必要があります。

具体的には以下の内容をルール化し、就業規則に明記していきたいです。

ドライバーのルールの具体例

◆呼気検査のルールについて。アルコールチェックの反応が出た場合の対応

◆車両の整理整頓や私用での利用禁止、保全

◆車内の自主検査のルール

◆酒気帯び運転について

◆事故発生時の対応

◆高速道路利用時の運転について

上記は一例です。他にも細かなルールは多くあると言えます。

会社ごとに現状を確認し、必要な規定を入れていくことがお勧めです。

きちんと明記しておくことで懲戒処分をする際の根拠となります。

懲戒事由について

従業員に懲戒処分を科す場合は就業規則に根拠規定を定めておく必要があります。

運送業の懲戒事由としてはアルコール検査の拒否や結果の改ざん、アルコール反応が出た。

他には酒気帯び運転、物損事故、運転免許の取り消し処分を受けた場合などです。

これらもきちんと規定に入れておくようにしましょう。

終わりに

今回は運送業の就業規則について書きました。

業界独特のルールもあり、就業規則の作成が重要になってくると言えます。

当法人では運送業のサポートに力を入れております。

お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。