滋賀県東近江市で社会保険労務士をしております小辰知己です。
お客様から、「マイナ保険証を持っている従業員から『資格確認書も欲しい』と希望があった場合、資格確認書発行手続きをしてもよいか?」というご相談をいただくことがあります。
厚生労働省が公表した「資格確認書の運用に関するQ&A(その3)」に基づき、マイナ保険証を保有している方への資格確認書の交付判断について、具体的なパターン別に解説します。
結論:原則として「念のため」の交付はできません
結論から申し上げますと、すでにマイナ保険証を保有しており、病院での受診に問題がない方に対して「念のため持っておきたい」という理由で資格確認書を交付することはできません。
では、従業員(被保険者)の意向や状況に応じて以下のように対応が示されています。

出典:資格確認書の運用に関するQ&Aについて(その3)より引用
ケース別の具体的な対応方針
ケース1:「念のため持っておきたい」という理由の場合
- 問い:マイナ保険証を保有しているが、念のため資格確認書を持っておきたいという方が資格確認書の交付を希望する場合、交付することは可能か。
- 公式回答・対応: 資格確認書は、医療機関等でマイナ保険証によるオンライン資格確認を受けることができない状況にある場合に交付するものです。そのため、マイナ保険証による受診が困難である等の特段の事情もなく、「念のため持っておきたい」という申請理由で交付することはできません。
ケース2:「マイナ保険証を利用する意向がない」場合
- 問い:マイナ保険証を保有しているが、当該マイナ保険証を利用する意向がない方が資格確認書の交付を希望する場合、交付することは可能か。
- 公式回答・対応: このような方に対しては、まずマイナ保険証の利用を呼びかけることが求められます。その上で、それでもなお資格確認書の交付を強く希望される場合は、「マイナ保険証の利用登録解除」の手続きをご案内することになります。
実務上のポイントと担当者の対応手順
企業の人事担当者の方や従業員の方から問い合わせや申請を受けた際は、以下のステップでご案内・ご確認いただくことをおすすめします。
- 申請理由の確認 :マイナ保険証での受診に特別な障害(介助が必要、オンライン確認が難しい環境など)があるのか、あるいは「念のため」「単に利用したくない」のかを確認します。
- 「念のため」の場合の事前説明: 制度上、予備や念のためといった理由では資格確認書の発行対象とならない旨を説明します。
- 「利用意向がない」場合の解約手続き案内: マイナ保険証の利用自体を拒否される場合は、利用登録の解除手続きが必要となることを案内し、適切な手順を踏んでいただきます。
まとめ
今回はマイナ保険証の発行に関しての注意点を書きました。
制度本来の主旨(マイナ保険証によるオンライン資格確認の推進)を理解した上で、適切な案内と実務対応を行いましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
